2024.01.27

仕組債の問題点とは~株式会社アンバー・アセット・マネジメント 最高運用責任者 森岡寛将~


 

お客さまにお伝えしたいこと

・仕組債は、値上がり益は出ず、値下がり損を被るハイリスク・ローリターンの商品
・仕組債はリスクやコストが見えにくい、金融庁からも問題視される商品
・金融機関での仕組債の取り扱い停止が広がっている

仕組債は、「普通より高い金利が得られます。」「株ではありません。」「金利固定です。」のようなセールストークで多くの銀行や証券会社で積極的に販売されてきました。但し、仕組債は金融庁から問題のある商品として度々指摘を受けています。問題点として大きく指摘されているのは次の2つです。1つ目は、実質的なコストが他の金融商品と比較して高いのが一般的であることです。「手数料はかかりません。」と販売をされているケースが多いようですが、実際には利率を計算する際に見えない形で高い利ざやを引かれています。計算が複雑なため、原価がどのくらいなのかは見えません。早期償還条項が付いている場合は、コスト面により注意を向ける必要があります。早期償還後、新たに仕組債を購入する都度、見えない形で販売する側の儲けにつながる仕組みになっています。2つ目は、株価などの動きで損益が大きく変動する複雑な仕組みについて、十分な説明がされていない点です。「大きく下がることはないので大丈夫です。」と提案を受けることもあり、「元本確保の商品だと思っていたが大きな損失が出た。」といった苦情が実際に証券・金融商品あっせん相談センターにも寄せられるような状況になっています。

仕組債は商品分類上は債券に分類されるため、安定運用を イメージして購入する個人投資家が多いですが、条件次第で 元本が大きく減る可能性がある特殊な金融商品です。いろいろな種類の仕組債が販売されていますが、一般的なのは株価指数を参照する株価指数連動債と呼ばれるタイプと債券の発行体とは異なる企業の株価を参照するEB債と呼ばれるタイプとなります。日経リンク債(日経平均連動債)などが証券会社でよく販売されている仕組債です。どちらも参照する価格が行使価格以上であれば、債券は額面で償還される一方で、行使価格未満であればノックインとなり、元本割れが発生します。個人投資家は見えない形で高い利ざやを取られているにもかかわらず、図1の通り、株価が上昇した場合は値上がり益を受け取れない一方で株価が下落した場合にはその分の損失を被るというハイリスク・ローリターンな商品設計となっています。

問題が表面化するのは株式市場で株価が急落する局面です。仕組債を保有する多くの個人投資家が損失を抱え相談センターへの問い合わせが増加します。金融庁も2023年6月に一部の地方銀行などへ行政処分を行っています。それを受けて、証券会社や銀行では仕組債を販売停止する流れが加速しています。金融庁のアンケートによると地域銀行仕組債の販売状況について2022年3⽉末時点で「取扱有り」と回答した先は8割弱ありましたが、2022年11⽉末時点で「取扱有り」と回答した先は3割強と減少しています。

 

 

【コラム担当者】 森岡 寛将(もりおか ひろまさ)

2023年4月に最高運用責任者として株式会社アンバー・アセット・マネジメントに入社しました。アンバーアセットマネジメント入社以前は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社で運用責任者としてETFを含めた株式インデックス運用、株式アクティブ運用や高配当運用、マルチアセット運用など約60プロダクトの運用を統括しており、豊富な運用経験があります。更に運用経験だけでは無く信託財産計理やリスク管理などの造詣も深く、資産運用に関連する全ての業務に精通しています。豊富な運用経験より得られた知見に対して、日本経済新聞社などのメディアからも関心を受けて、取材先として記事の材料に採用された実績もあります。

 

広告等補完書面
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